Sempre per Milan

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la gazzetta dello sport のミランに関する記事をだら~っと訳すblog 

大体割りを食ってるビリア

ナポリ戦では0-2から3-2へとひっくり返されてしまいましたね.とても残念.私は,昔ながらのイタリアよろしく守備を主体に見てしまうので,攻撃の良いところはさておき守備で気になるところがありました.

 

まず,ナポリにはサッリが築き上げた美しい攻撃があります.ざっくり言えば,前線のインシーニェ・メルテンスカジェホンが中盤に降りていったり,ワイドに開くことで相手のDFラインにギャップを生じさせます.そこに,前線の3人か中盤から選手が飛び出してラインブレイク,マイナスに折り返して余裕でシュート.よく見ましたよね.

 

今回,これに対応するためにミランの3TOPは,無理に前線からプレッシャーをかけず陣形をコンパクトに保ち,DFラインはというとズレを作らせないため,流動的に動くナポリの3TOPに対してあまりついていかずに中盤に任せていました.

 

つまり,ボナベントゥーラとケシエはアランとジエリンスキの飛び出しに気を付けながら,必要に応じて降りてくるナポリ3TOPにも対応しなければいけないという難しい役割でした.この試合ではここのボナベントゥーラとケシエの守備の甘さがとても気になりました.

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試合開始直後右ウイングのカジェホンにボールが入り,アランが飛び出します.このときのボナベントゥーラの寄せ.ちょっと甘くない...??

 

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もう結果にがっかりのミラニスタは忘れているシーンですがかなりの決定機でした.(実際は,ボテボテのシュートでした)

 

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これは三点目の失点シーン.RRが集中を切らしサイドにつり出されています.それを見逃さないアラン.一気に飛び出してディアワラも素晴らしいスルーパスを入れます.もともと守備が得意ではないボナベントゥーラなのでRRが対応する約束だったのかもしれませんが,メルテンスの投入でナポリの前線は一枚増えています.ベテランのボナベントゥーラにはちゃんとついていってほしかった...

 

ボナベントゥーラはミラニスタの最も信頼されている選手の一人であり,みごとなゴールを奪ったこともあって,批判はほとんど見られません.しかし,膝の調子がわるかったためプレシーズンの調整が不十分で,試合勘が鈍ってんじゃないの?と思った場面もありました.

守備はともかく攻撃のセンスは間違いない選手ですので,改善してほしいと思います.アンタッチャブルな存在ですが,ガットゥーゾはしっかりと喝をいれていると信じたい.

 

そして,ちらほら叩かれているケシエ.

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これは1-2とされた直後のシーン.ビリアにかわってバカヨコが入っています.ボナベントゥーラが高い位置にいるため,バカヨコがケアしています.当然ケシエは...というかフォーメーション的にもジエリンスキ番はケシエですよね!

 

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ナポリのラインブレイクに注意を払っているため,不用意に飛び出さないようにしていたミランDF陣はとっさに対応できず.結果ゴールにならなかったものの,逆転を暗示させるシーンとなりました.(ケシエはもはや画面外(笑))

 

ケシエの対人守備能力は高いですが,それが発揮されているのは前の相手に守備をかけるときだけで,撤退守備のときやプレスバックについては意識が低いんじゃないかと全体的に思いました.

 

 

このように,二列目のアランとジエリンスキを自由にさせたのが最大の敗因かと私は思います.一方で,ナポリのこの二人も若干前がかりな印象があり,ミランの得点はどちらもDFラインと中盤の間のスペースを後ろからの飛び出しで攻略した形でした.そして攻撃のスイッチを入れてサイドの深い位置にボールを供給したのは二点ともにビリアでしたね.

それなのにビリアは良く叩かれます.かわいそうです.ビリアには身体能力も守備力もありませんが,良いフィードを持っているし非常にインテリジェンスの高い選手だと思います.

 

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4-3-3の構造上,アンカー脇にはスペースが生まれます.ここをCBが飛び出したり,インサイドが寄せることで対応する必要があります.これを狙ってくるのはナポリに限りません.ビリアはポジショニングは良い選手ですが対人守備はそこまでよくないので,ここの対応がチームとしてできてないと大体ビリアが悪いっぽくみえます.

 

2点目の失点シーンもビリアが転がってしまったので印象が悪いですが,ぴったりマークがついていたところにパスをだしたムサッキオのミスです.

ミランのメンバーで展開力があるのはビリアだけでしたのでマークがきついのも当然です.昨年であればボヌッチにもフィードの能力があったのでこういったことにはなりませんでした.ムサッキオにもビルドアップ能力を期待したいところです.

 

ワールドカップでもビリアは自分の仕事をマスケラーノに取られてしまい,ピッチでふらふらしていましたが,与えられたタスクはしっかりこなしていると思います.実際昨シーズン,ロカテッリとモントリーヴォではボールのちらしがビリアほどスムーズではなかったですね.

 

 

というわけで長くなりましたが,3センターの出来は決してよくなかったですね.それが大体ビリアのせいにされていると思います.ローマ戦はぜひ快勝してほしいですね.ハイライトしかみていませんが,ストロートマンが抜けてローマの中盤も守備に問題がありそうでした.それでは~

 

FORZA MILAN